看護の現場では慢性的な人手不足が問題になっています。世間の看護師のイメージとして、高給取りで安定している、やりがいのある仕事など、みんなが羨むような言葉をよく耳にしますが、本当にそうでしょうか。看護師として働いている人は全国で約121万人いると言われていますが、資格を持っているのにもかかわらず就業していない潜在看護師は約71万人もいることが分かっています。もし看護師の仕事が世間のイメージ通りであれば、こんなに多くの潜在看護師は生じていないでしょう。
高給取りで安定している、ということに関しては、他の職業と比較すると看護師の方が給与が高い場合は多いかもしれません。しかし重要なのは他の職業との比較ではなく、仕事内容の割に合った給与であるかということです。人命にかかわる責任の重い仕事を人手の足りない忙しい環境でしなければいけいないという現状を無視されているのではないでしょうか。これではモチベーションを保てず臨床から離れたくなりますよね。
やりがいのある仕事、ということに関しては間違いなくそうでしょう。患者さんが退院する際などには感謝の言葉をかけられることもあるので、やりがいを感じられる場面は多いですよね。ですが、日々過酷な現場で働いている看護師は慢性的な疲労を抱えていることが多く、業務をこなすことに精いっぱいでやりがいを感じられる余裕がないのも事実です。ハードでやりがいの感じられない仕事を長期間続けたいと思う人はいないでしょう。労働環境を改善することが、患者・看護師の両方にとって重要なポイントになりそうですね。